あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

その人は、男。



狐のお面をしていて、黒いパーカーとフードをかぶっている。






狐の、面。










去年の夏祭りの様子を思い出す。






『あ。俺、射的やりたい』



『いいな。俺もやる』







去年の夏祭りは、あいつと二人で行ったっけ。



あいつがやるって言った、射的。





あいつは、とにかく射的が上手だった。



まるで、銃の扱いに慣れているみたいで。



狙った景品を、なんでも撃ち落とした。








そして、そのときに撃ち落としたお面。









―――――それと、まったく同じお面だった。








――――シエル?








俺の頭の中に、その名前が浮かび上がった。




でも、シエル、お前は……っ。











「なに、あんたも白夜? なら、ついでだし一緒にやってやる」






乃亜が、シエルに向かってそう言った。







「っ、逃げろ!! こいつは、世界No.1で……っ!」






俺が、シエルに向かって、そう叫ぶ。



幹部のシエルが、まともに戦える相手じゃない。





そう言ったとき。










――――バタバタッ、バタンッ。








倒れる音がした。







え?





俺が、音のした方を見ると、そこには華皇の幹部3人が気を失って倒れていた。








は? どうして?







白夜の幹部たちは、もう戦える状態じゃない。



琴音だって、戦えない。







戦えるのは、シエルだけだったけど……あの、一瞬で?