そう。
上から降ってきたのは、乃亜だった。
でも、雰囲気が違う……。
状況がうまく理解できない俺。
そんな俺に対して、乃亜が声をかけてきた。
「なあ……覚えてる?」
口調が、違う。
でも、声は乃亜だ。
まるで、俺に話しかけているみたいではない。
だれか、俺を通して別の誰かに語り掛けているような―――。
俯いていて、表情は分からないけど。
とにかく殺気を感じた。
「――――あたしは、お前が大っ嫌いだよ」
「は……?」
今、なんて……?
言葉が信じられなくて、脳がうまく働かない。
「簡単になんか殺さない。何度も何度も痛めつけてやる……っ」
これは、本当に、乃亜なのか……?
苦しそうにしている白夜の幹部たち……夏希たちも、驚いたように目を白黒させている。
俯いていた、乃亜がゆっくりと顔を上げる。
乃亜の瞳は、黒じゃなった。
――――――綺麗な、赤みがかったピンク。
これは、前の乃亜と同じ瞳だった。
まとっているオーラが違う乃亜に対して、恐怖が募る。
乃亜に対して、怖い、と感じたのは、これがきっと……初めてだろう。

