あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「ふうん。この子、琴音ちゃんって言うんだ。琴音ちゃんは、あんたの彼女?」



「そう、だ」



「じゃあ、この子を殺したら、あんたは悲しいよね?」



「はっ?」



「どうやって殺されたい? 殴られたい? それとも蹴られたい? あ、首を絞めるのもいいかも」






ふふ、と、笑いながら言う女。



サイコパスなのか?




思考が、狂ってる。







「い、いやっ……」



「嫌なの? ごめんね、あなたは関係ないんだ。でも、白夜と副総長の彼女さんなんだもん。重要な人だよ」



「琴音は関係ないんだろ!? なら離せよ!」



「……あんたには、言われたくないよ」



「それは、どういう……」






すっと、空気が冷たくなる。



どこか、悲しそうな声色だ。





そのとき、女はフードを下ろした。







……女嫌いの俺でも、綺麗だ、と思うほど美しい顔立ちだった。



いや、可愛い顔立ちだ。





女は、儚い空気をまとわせながら、夏希に向かって言った。