あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


あたしは倉庫にある総長室に行って、試しに付けてみた。



真っ黒なストレートで長髪のウィッグ。カラコンも黒だし……。


まさに真面目な子って感じになってそう。



今のあたしってどんな感じなんだろ?


そう思って鏡を見てみると、思わず声を漏らしてしまった。



「こ、これが、あたし?」



まるで別人だった。落ち着いている、優等生みたいな格好をしている。


あたしっぽくはなかった。



「のーあー? できたー?」


「できたー! 今行くね!」



うう、なんて言われるんだろう……。


意を決して、幹部室に入った。