あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

なんだよ、これ……っ。



なんで、乃亜がこんなことになってんだよ……っ。





華皇の倉庫ってことは、誘拐したのは華皇、なのか?



華皇は、俺でももちろん知っている。




世界No.1の暴走族。


暴走族をやっているやつなら、誰でも知っているような族だ。



華皇は正統派の族で、俺にとってあこがれだった。




なのに、そんな憧れの存在と、こんな風に会うなんてな……。






……今日の、17時。



17時に行けば、ちゃんと、乃亜は返してくれるんだよな……?








俺は、このメールの事を、急いで幹部や琴音に伝えた。



そうしたら、みんな驚いたような表情をしていた。




その中でも、夏希が一番難しそうな顔をしていたと思う。






「乃亜ちゃんが、誘拐……? でも、助けるためには琴音を、連れて行けって? 華皇の倉庫に? そんな危険なことさせられるかよ……!」





そりゃそうだ。



だって、大事な彼女が傷つけられるかもしれねえんだから。




でも、乃亜だって大事な仲間だ。



それに、琴音は絶対に行く、と言うだろう。





夏希にとっては、とても難しい選択だった。







「乃亜ちゃんを見捨てるつもりはない。でも、琴音は……っ」



「夏希くん、私は大丈夫だよ……? それに、私は乃亜ちゃんが大事だよ……!」



「で、でも……」



「なら、琴音は夏希の後ろにずっと隠れていればいい。もしも戦うことになったら、陸たちも琴音を守れ。戦いは俺がやる」



「はあ? 相手は世界だぞ……!? いくら玲夜でも、相手が違げえよ!」



「琴音だって俺たちの大事な姫だ。姫を守るのは役目だろ」



「……状況を見て判断するからな、玲夜」





幹部の説得もちゃんとできた。



その条件なら、夏希も一応は許可を出してくれた。




だから――――。












あとは、俺たちの姫を、迎えに行くだけだ。