あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


【玲夜 side】





「……大好きだよ、玲夜。ばいばい」





その言葉と、頬に感じた感触で目が覚めた。



今の声、乃亜、か……?




ばいばいって……昨日、要たちにも言った言葉だよな……?




嫌な予感がして、ばっ、と飛び起きる。




すると、そこにはすでに、乃亜の姿がなかった。





「は……?」




怖くなって、急いで部屋を見て回る。



すると、机の上に一枚の紙が置いてあることに気が付いた。



そこには、乃亜のかわいらしい字が書いてあった。






『ちょっと散歩に行ってきます 乃亜』





ちょっと、散歩……?


それなら、なんでわざわざ、あんな事を……。




さっき聞こえた、乃亜の声。


なんだか、悲しそうに聞こえたな……。





……乃亜を、追いかけよう。



そう思ったけど、見つかるかなんてわからない。



もしかしたらただの勘違いかもしれないしな……。





ダメか、と思いながら、勝手に部屋に入る。



乃亜の部屋に入って、俺は絶句した。





は?


なんで、物が全然ないんだ……?



クローゼットを開けても、制服が入っていない。


教材もなかった。




どうして……っ。



まるで、去年までの俺の部屋みてえ……。



最近では乃亜がいるのが当たり前だったから、寂しい……。