【玲夜 side】
「……大好きだよ、玲夜。ばいばい」
その言葉と、頬に感じた感触で目が覚めた。
今の声、乃亜、か……?
ばいばいって……昨日、要たちにも言った言葉だよな……?
嫌な予感がして、ばっ、と飛び起きる。
すると、そこにはすでに、乃亜の姿がなかった。
「は……?」
怖くなって、急いで部屋を見て回る。
すると、机の上に一枚の紙が置いてあることに気が付いた。
そこには、乃亜のかわいらしい字が書いてあった。
『ちょっと散歩に行ってきます 乃亜』
ちょっと、散歩……?
それなら、なんでわざわざ、あんな事を……。
さっき聞こえた、乃亜の声。
なんだか、悲しそうに聞こえたな……。
……乃亜を、追いかけよう。
そう思ったけど、見つかるかなんてわからない。
もしかしたらただの勘違いかもしれないしな……。
ダメか、と思いながら、勝手に部屋に入る。
乃亜の部屋に入って、俺は絶句した。
は?
なんで、物が全然ないんだ……?
クローゼットを開けても、制服が入っていない。
教材もなかった。
どうして……っ。
まるで、去年までの俺の部屋みてえ……。
最近では乃亜がいるのが当たり前だったから、寂しい……。

