あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

……うん、書けた。




こうして、全員分の手紙を書き終った。



一人一人にあてたメッセージ。








荷造りも終わった。あとは、こっそり抜け出すだけだね。



あ、一応、外に行くって手紙を書いておいてっと……。




外に行って、華皇に誘拐されたって言う設定にするから。





『ちょっと散歩に行ってきます  乃亜』





うん、これでよし。








……最後に、少しだけでいいから玲夜の顔が見たい。



今日も、また会えるとは思っているけど。




そのときは、あたしの自我なんてないだろうから。







起こさないよう、こっそりとソファを覗き込んだ。



綺麗な寝顔だ。



やっぱり、寝ている玲夜は可愛いな。





いっつもソファに寝かせちゃって、申し訳なかった。



あたしはいなくなるから、今まで通りになるね、玲夜。











行こうとしたけど、やっぱりできない。



離れたくない。


でも、離れないと。






あたしは、ごめんね、と心の中で謝って、そっと、玲夜の頬にキスをした。








「……大好きだよ、玲夜。ばいばい」








あたしは、そう言って寮の部屋を出た。