あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

『あ、もしもし乃亜!? 大丈夫か!? ぜんぜん繋がらなかったけど……』





男の、声だ。



乃亜の友達なのだろうか?





『まあ、いいや。それで、ちゃんと気持ちの整理はついた?』






俺が、ずっと無言で聞いていたら、こいつはずっとしゃべり続けた。



気持ちの整理って、なんのことだ……?





『そんなに白夜が好きなら、本当に影響が出そうで俺は心配だけど』



「そんなに、白夜が好きなら……? どういうことだ……?」





俺がうっかりと声を出してしまう。



しまった、と思ってももう遅い。







『……お前、誰だ?』




電話先の声が、冷たくなったのを感じた。




「俺、は」




『乃亜に何かしたのか!?』



「何もしてねえよ! 乃亜は今、お風呂に……」



『は、風呂? お前、ほんとに誰』



「……漣、玲夜」



『ちっ』






なんで名前を答えたら舌打ちされるんだよ……。



それよりも。







「お前、白夜がなんだって?」



『ちっ。めんどくせ』



「乃亜とはどういう関係だ?」



『別に……深い関係?』





深い関係……?



ど、どういう……。





『まあ、お前よりは信頼されてると思うけど』



「はあ……お前とは絶対に相性が合わない」



『俺もそう思う。まあ、俺はお前が大っ嫌いだからな』



「俺が何をしたって言うんだ……」






初対面の奴に嫌いって言われて。



そういえば、乃亜もそうだったか。




俺、初対面の奴に嫌われること多くないか?





『まあいい。お前の罪を思い出しておけ。お前の醜くゆがんだ顔が見れるのが俺はすごく楽しみだ』






急に明るい声になった。



こいつ、嫌いだ。