「乃亜は、いなくなるなよ―――――」
「玲夜」
「ちゃんと、約束しろ……っ」
約束か。
「ごめんね、それはできないかな」
「なんで」
「そう言う決まりなんだよ。あたしの運命は決まってる」
「病気とか、なのか……?」
「あたしが病気に見える? 元気だよ!」
「なら、なんで!」
なんで、かあ。
あたしが、聞きたいよ。
今なら、聞いてもいいかな?
「じゃあ、なんで玲夜はあの人を殺そうとしたの?」
「は――――?」
あたしは、今までと変わらない表情で、いつもの声色で言った。
平然と。
「乃亜、何言って……」
「今年の春だよ。なんで、人を殺そうとしたの?」
「は? そんなことしてねえよ!!」
「……じゃあ、聞いてもいい? なんで玲夜は右耳にピアスを付けてないの?」
「それは……」
急に言葉を濁らせる玲夜。
あーあ……やっぱり、そうなんだ。
―――――心のどこかで、違うかもって期待してたよ。
やっぱり、怜をあんな風にしたのは……。
「それは、今は言えないけど。いつか絶対に言うから……」
「絶対なんて、簡単に言ったらだめだよ。絶対なんて、ありえないんだから」
約束なんて、守れない。
だから、あたしの家族はいない。
絶対なんて、無理なんだよ。
約束なんて、その場限りの言葉に過ぎない。
「絶対って言えることだってあるに決まってるだろ!」
「あるかもしれない。でも、そんなの永遠じゃない」

