あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─




「乃亜は、いなくなるなよ―――――」



「玲夜」




「ちゃんと、約束しろ……っ」







約束か。








「ごめんね、それはできないかな」



「なんで」




「そう言う決まりなんだよ。あたしの運命は決まってる」



「病気とか、なのか……?」



「あたしが病気に見える? 元気だよ!」



「なら、なんで!」









なんで、かあ。



あたしが、聞きたいよ。







今なら、聞いてもいいかな?













「じゃあ、なんで玲夜はあの人を殺そうとしたの?」




「は――――?」







あたしは、今までと変わらない表情で、いつもの声色で言った。




平然と。










「乃亜、何言って……」



「今年の春だよ。なんで、人を殺そうとしたの?」



「は? そんなことしてねえよ!!」




「……じゃあ、聞いてもいい? なんで玲夜は右耳にピアスを付けてないの?」



「それは……」







急に言葉を濁らせる玲夜。









あーあ……やっぱり、そうなんだ。






―――――心のどこかで、違うかもって期待してたよ。













やっぱり、怜をあんな風にしたのは……。












「それは、今は言えないけど。いつか絶対に言うから……」



「絶対なんて、簡単に言ったらだめだよ。絶対なんて、ありえないんだから」







約束なんて、守れない。



だから、あたしの家族はいない。









絶対なんて、無理なんだよ。



約束なんて、その場限りの言葉に過ぎない。






「絶対って言えることだってあるに決まってるだろ!」



「あるかもしれない。でも、そんなの永遠じゃない」