あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


――――プルルルル。







あれ、また電話?



電話が二日連続かかってくるなんて。








誰だろう、と思うと。






「あれ、陸だ」








珍しいな。


いつもメールで送ってくるのに。







「もしもし?」



『あ、乃亜! 近くに玲夜、いるか?』



「玲夜? いないよ」



『よし。なあ、玲夜の誕生日がいつか知ってるか?』






玲夜の誕生日?


そういえば、知らないな……。






「ううん。いつなの?」




あたしがそう聞くと、陸は日にちを言った。





「……え?」



『で、その日にパーティーしようと思ってるんだ! だから、ちゃんとプレゼント用意しとけよな!』



「え、あ、うん……」



『じゃ!』






電話が切れて、あたしはその場に座り込んだ。