【乃亜 side】
『―――――1か月後の、9月23日。この日が、復讐の日だ』
蒼の言った、この言葉。
この言葉が、ずっとあたしの頭の中に響いている。
この日になったら、あたしは白夜を潰さないといけないんだよね。
嫌だなあ……。
でも、これは怜のため。
仕方がない話だ。
――――あたしが、白夜を潰したら。
怜は、喜んでくれるかな。
それよりも、あたしは、ちゃんと、戦えるだろうか。
大好きな白夜を潰せるのだろうか。
一つだけ。
一つだけ、ちゃんと白夜を潰せる方法がある。
それは、『あたしが正気を失うこと』だ。
今ではほとんどないけれど、昔はよく正気を失っていた。
正気を失ったあたしは、誰にでも、関係なく暴力を振るうようになる。
溜まり続けた怒りを爆発させるように。
正気を失っていると言うことは、何をやっても、それをした間の記憶がないと言うこと。
いつもは、その怒りを怜が、おさめてくれていたらしい。
でも、怜がいない今……。
あたしは、どうやって我に返るんだろう?
でも、これしかできないから。
あたしが正気を失う条件は、2つ。
一つは、夜であること。
二つ目は、辛い事をたくさん頭に思い浮かべる事。
それで悩みすぎて、爆発する、らしい。
あたしも詳しくは知らないんだよね。
ちゃんと、できたらいいなあ。

