あたし——✗✗ 乃亜は、四人家族だった。
大好きな、お父さんとお母さん。
それと、双子のお兄ちゃん——怜。
毎日が楽しかったんだ。
幸せだった。
あたしの家はどこか普通じゃないということに気が付いたのは、あたしがまだ3歳の頃。
まず、あたしの家には多くの執事やメイドさんがいる。
あたしのことはお嬢様呼びだしね。
家もびっくりするくらいに広い。
ときどきパーティーも開かれたし、招待された人はお母さんのことを尊敬しているようだった。
そして招待客も、有名な企業の人が多かった。
それから……家にいる、執事ではない、たくさんの大人の男の人達。
執事じゃなくて、あたしよりもずっと年上なのに、あたしと怜に敬語を使う。
あたしと怜のことを、様付けで呼ぶ。
そして……お父さんのことを『組長』と呼んでいた。
