―――――まあ、出来る限りの言い訳はしますか。
「あたしは、皇のお嬢様ではないよ。お嬢様なのは、あたしの親友」
「でも、お嬢様って……あいつの名前を知っていたし」
「それは、その親友から聞いていたからだよ。それに、あの人、髪色も目の色も違うって言ってたでしょ? 当たり前じゃん、あたしはそのお嬢様じゃないんだからさ」
嘘だと見抜かれないように、あたしの最大級の、本気の演技をする。
これは、誰にも見破れないよ。
「……その、親友は。今どうしてるんだ?」
「普通に暮らしてるよ」
「親友の子に、言っておいてくれないか?」
「……何を」
俯いて、玲夜が、言葉を選んでいた。
口を開いては、閉じて、の繰り返し。
「……大事な両親を、家庭を奪ってごめん。いくら謝罪しても、何にもならないってことはわかってる」
「……わかった。言っとくね」
両親を、奪ってごめん、か。
……ごめんで済むのなら、この世に犯罪なんてものは無いよ。
「きっと、俺はその人と会ったことがある。その人、双子か?」
「あー……うん」
「たぶん、桃色の髪の女だろ。もう一人は、空色の髪の男」
「よく知ってるね」
「……ああ」
そんなに覚えていたんだ。
これは、バレないようにしないと。
あたしがウィッグやカラコンを間違えてつけていなかった、なんてことがあったら。
すぐに、バレるだろうしね。
……普通の家庭に、生まれたかった。
もう、皇には、戻れない。
あたしのするべきことは、復讐だけだ。

