あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─



―――――まあ、出来る限りの言い訳はしますか。








「あたしは、皇のお嬢様ではないよ。お嬢様なのは、あたしの親友」



「でも、お嬢様って……あいつの名前を知っていたし」



「それは、その親友から聞いていたからだよ。それに、あの人、髪色も目の色も違うって言ってたでしょ? 当たり前じゃん、あたしはそのお嬢様じゃないんだからさ」







嘘だと見抜かれないように、あたしの最大級の、本気の演技をする。



これは、誰にも見破れないよ。








「……その、親友は。今どうしてるんだ?」



「普通に暮らしてるよ」



「親友の子に、言っておいてくれないか?」



「……何を」






俯いて、玲夜が、言葉を選んでいた。



口を開いては、閉じて、の繰り返し。






「……大事な両親を、家庭を奪ってごめん。いくら謝罪しても、何にもならないってことはわかってる」



「……わかった。言っとくね」







両親を、奪ってごめん、か。





……ごめんで済むのなら、この世に犯罪なんてものは無いよ。








「きっと、俺はその人と会ったことがある。その人、双子か?」



「あー……うん」



「たぶん、桃色の髪の女だろ。もう一人は、空色の髪の男」



「よく知ってるね」



「……ああ」








そんなに覚えていたんだ。



これは、バレないようにしないと。





あたしがウィッグやカラコンを間違えてつけていなかった、なんてことがあったら。



すぐに、バレるだろうしね。








……普通の家庭に、生まれたかった。




もう、皇には、戻れない。








あたしのするべきことは、復讐だけだ。