あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

【乃亜 side】





「……なあ、乃亜。乃亜は……」



「あ、琴音ちゃんたち、ちゃんと見れたかなあ? 二人、楽しく過ごしたんだろうね」





話しかけてきた玲夜の言葉を遮って、他の話題にする。



なにか、感付いたみたいだし。





「っ、話を」



「あーあ、あたしも疲れちゃった。はやく帰ろ?」



「っ、乃亜!!」







腕をばっ、と掴まれて、強制的に後ろを振り向かさせられる。




薄暗い路地裏に連れ込まれて、近くの壁に体を押し付けられた。






隣には、玲夜の腕。



俗にいう、壁ドン、というやつ。






至近距離で目が合う。



あたしは全く動じたそぶりを見せず、じっと玲夜を見た。







「……乃亜は、一体何者なんだ……?」



「……」



「さっきのやつらは、皇組だ。世界No.1で、最強の組。そこの偉い奴に、お嬢様って、言われてただろ……?」



「……」




一つも顔色を変えず、無言で話を聞く。






「乃亜は……皇組の、お嬢様、なのか?」








……あーあ、バレちゃった。



でも、なんて言おうかな。





言い訳もこれじゃあ無理そうだし。