あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「……まだ、言えてなかったけど。今日の乃亜、ほんとに可愛い」



「えっ?」



「……本当は、誰にも見せたくなかった」



「っ、玲夜……ありがと」






そっぽを向く玲夜。


でも、髪から覗かせる耳は、暗くても分かるくらいに赤かった。




ふふ、玲夜は本当に照れ屋さんだなあ。










クライマックスまで見て、あたしは余韻に浸っていた。






「綺麗だったね、花火」


「ああ……じゃあ、帰るか」


「うんっ」






さっきから、ずっと繋がっているあたしと玲夜の手。



まるで、恋人みたいだ。









―――――できることなら、玲夜の恋人になりたい。







そっか。ようやくわかったよ。





あたしは――――玲夜が、好きだ。









自覚した瞬間、玲夜が本当に愛おしく感じる。



……でも、好きになる事は、許されない。





玲夜は、あたしの敵だ。


暴走族としても、組としても。






そして――――怜の仇。




いつか、殺さないとって。





そう思うと悲しいな。









――――ねえ、なんで玲夜は漣組に生まれたの?



あたしと敵対しないといけなかったの?







ダメだって、頭はわかってる。


でも、心が認めるのを嫌がってるんだよ。










――――お願い。今だけでも、好きでいてもいいですか――――?