怜が倒れてから1か月。
あたしは、荷造りをしていた。
どうしてこうなったかというと、遡ること3週間前……。
怜が昏睡状態になってから1週間後、あたしは華皇の幹部みんなと話し合いをしていた。
「……怜くん、白夜にやられたんでしょ? なんで、怜くんを……」
頭を抱えながら辛そうに話す彼女は、成瀬 芽愛。
あたしの大親友なんだ。それから、華皇唯一の女幹部。
いつもおしゃれで、すごく可愛い芽愛は、よく敵から油断されやすい。
でも……実際は華皇の中で3番目に強い。
好戦的で、敵に容赦なく攻撃を出す。まあ、自分から無意味な喧嘩はしないけどね。
芽愛は成瀬財閥のお嬢様なんだけど、いつもボディーガードをつけられて制限されるのが嫌になったらしい。
それで強くなったら自由に行動することを許されたから、必死に訓練して、それで強くなったんだよ。
そして……芽愛は、怜の彼女でもある。
二人はまさにバカップルといってもいいくらいだった。
二人の甘々なムードに呆れるくらい。

