あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「まあ、屋台回るか?」



「あ、うん! そういえば、要たちどうしたの?」



「あー、要たちかあ。あいつらは先に屋台見に行ってたよ」



「わー、そんな予感してたあ……なら大丈夫かな。ならダブルデートだね!」






へっ?



だ、ダブルデート!?





「あ、あたし……玲夜と付き合ってるわけでも……」



「……なら、いっそ付き合う?」



「っ、はあっ!?」



「顔真っ赤じゃん」





あたしの頬を撫でて、微笑みながら低音のボイスで囁く玲夜。



その様子を見て、夏希さんと琴音ちゃんは目を大きく見開いた。





「うわ……玲夜が……すげえ甘い」



「私……こんな玲夜くん、初めて見た」



「うっせえ」





顔の火照りがなかなか収まらない。


本当に、玲夜とだけ。



変だなあ……あたし。







「まあ、屋台行こ!」



「あ! あたし、りんごあめ食べたーい!」



「はいはい」



「私はいちごあめ!」








そうして、ダブルデート(?)を、あたしたちは楽しんだ。