あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─



―― 一週間後の夕方。



あたしは、琴音ちゃんの寮のお部屋にお邪魔していた。





和風の文化を大事にしている家元の琴音ちゃんは、着付けも得意。



だから、琴音ちゃんに着付けをしてもらったんだ。








「うんうん! やっぱり可愛いね!! これは玲夜くんたちも赤面しちゃうね」



「ありがと!! 琴音ちゃんもすっごく似合ってる!」



「ふふ、じゃあ行こっか? 夏希くんたちは先にお祭りの会場に行ってるらしいから」



「はーいっ」







会場まで、歩いて10分くらい。



あたしたちはのんびりと話しながら向かった。











会場に近づくにつれ、人も多くなっていく。



辺りがお祭りのムードで、楽しそうな笑い声が聞こえてきた。



出店もずらっと並んでいて、見ているだけでわくわくとしてくる。








「あれー? 玲夜たちいないなあ……どこだろ」



「だね……会場も広いし、すぐに見つかるかなあ」



「連絡した方が早いかも。あたし連絡するね!」





そう言ってスマホを取り出そうとしたとき。