あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


「っ、はあ!? 決めつけんなよ! 別に、見たいってわけ、じゃ……」



「ちょっと、陸。顔真っ赤じゃん」



「そういう空だって!」





え、二人ともどうしたの?



そんなにあたしの浴衣姿に興味でもあるの?





「まあ、気になるけど……」





普段きっぱりと物事を言うようになった要も、言葉を濁している。



玲夜に関しては顔をしかめていた。






「えっと、玲夜……? そんなにあたしの浴衣、見たくなかった?」





あたしが少し不安げに聞くと、首を大きく横にふった。





「ちがう。周りの奴らに見せたくないだけだ」



「へっ!?」






予想外の答えに、どきっとする。



そんなこと言われたら……期待しちゃうじゃん。






あれ、期待って何だろ……?








「じゃあ、浴衣着て来いよ。絶対な!」



「おい、俺の意見は無視か?」







あはは、どっちの意見を聞けばいいのやら……。



結局、あたしと琴音ちゃんは浴衣を着てくることに決まった。