「っ、はあ!? 決めつけんなよ! 別に、見たいってわけ、じゃ……」
「ちょっと、陸。顔真っ赤じゃん」
「そういう空だって!」
え、二人ともどうしたの?
そんなにあたしの浴衣姿に興味でもあるの?
「まあ、気になるけど……」
普段きっぱりと物事を言うようになった要も、言葉を濁している。
玲夜に関しては顔をしかめていた。
「えっと、玲夜……? そんなにあたしの浴衣、見たくなかった?」
あたしが少し不安げに聞くと、首を大きく横にふった。
「ちがう。周りの奴らに見せたくないだけだ」
「へっ!?」
予想外の答えに、どきっとする。
そんなこと言われたら……期待しちゃうじゃん。
あれ、期待って何だろ……?
「じゃあ、浴衣着て来いよ。絶対な!」
「おい、俺の意見は無視か?」
あはは、どっちの意見を聞けばいいのやら……。
結局、あたしと琴音ちゃんは浴衣を着てくることに決まった。

