「……人前でも、一人のときも。もう、泣かないって決めたのに。今日は泣き過ぎだね」
「泣き過ぎじゃない。何があったのかは知らねえけど。耐え続けたら限界が来る」
「……」
「我慢すんな。辛かったら、俺が話を聞いてやる」
俺が、安心させるように、背中をさすりながら言うと、少しだけ乃亜は顔をゆがめた。
でも、一瞬で笑顔に変えて、俺に言った。
「……ありがと、玲夜」
その声が、少しだけ悲しそうに感じたのは、気のせいだろうか?
「……ねえ、玲夜」
「ん?」
「――――あたしのこと、覚えてる?」
「は?」
おぼえ、てる?
どういう、ことだ……?
「……玲夜が、漣 玲夜じゃなければ、よかったのにな」
「どういうことだ……?」
「―――あたしたちが、普通の人間だったらよかったのにね」
あたし『たち』?
俺は、漣組の次期組長で、全国No.1の暴走族の総長だ。
だから、俺が普通の人間じゃないってことくらいわかっている。
でも、乃亜は……普通じゃないのか?
乃亜は、普通の人間だろ―――?
「泣き過ぎじゃない。何があったのかは知らねえけど。耐え続けたら限界が来る」
「……」
「我慢すんな。辛かったら、俺が話を聞いてやる」
俺が、安心させるように、背中をさすりながら言うと、少しだけ乃亜は顔をゆがめた。
でも、一瞬で笑顔に変えて、俺に言った。
「……ありがと、玲夜」
その声が、少しだけ悲しそうに感じたのは、気のせいだろうか?
「……ねえ、玲夜」
「ん?」
「――――あたしのこと、覚えてる?」
「は?」
おぼえ、てる?
どういう、ことだ……?
「……玲夜が、漣 玲夜じゃなければ、よかったのにな」
「どういうことだ……?」
「―――あたしたちが、普通の人間だったらよかったのにね」
あたし『たち』?
俺は、漣組の次期組長で、全国No.1の暴走族の総長だ。
だから、俺が普通の人間じゃないってことくらいわかっている。
でも、乃亜は……普通じゃないのか?
乃亜は、普通の人間だろ―――?

