「……ごめんね、三月」
『え? なにが?』
「あたし、嫌いだったはずなのに。好きになっちゃうなんて、バカだ」
『……』
「これも、みんなを裏切ってるのと同じだよね? ごめんね……」
『……一番白夜が大っ嫌いだった乃亜が、そこまで洗脳されるなんて。あいつら、どんな奴なんだろ』
「三月たちは、仲良くならない方がきっといいよ」
『そ? ま、嫌いだから仲良くなりてえとか思わないけどー』
「……好きになるのは、あたしだけでいい。復讐の心が鈍るのは、あたしだけでいいんだよ。みんなまで鈍ったら、それこそできなくなっちゃうじゃん」
『……そう、だよな』
そこで、シャワールームから物音が聞こえた。
うわ、玲夜が上がってくるかな!?
このこと、聞かれてたらまずい……!
「あ、ここで切るね! あたし、シェアハウスしてるからさ!」
『っ、はあ!? 誰とだよ!!』
耳元でものすごい大声が聞こえてきて、あたしは顔をしかめる。
「うるっさいってば! 玲夜と!!」
『れ、玲夜って総長だろ!? 呼び捨て!? ってか乃亜が男とシェアハウスとか……許せねえ……っ』
「な、なに言ってるの? まあ、切るから! またね! おやすみ!」
『ちょ、乃亜!! おやすみ……』
少し……いや、かなり不服そうな三月。
一方的に電話を切ってしまったことを、少しだけ申し訳なく思った。
でも……そっか。白夜は、怜をあんな風にしたんだもんね。
あたしは、いつも、絶対に片時も離さずに持っている『あるもの』を取り出した。
……シルバーの、三日月のピアス。
怜が、意識をなくす最後に、伝えてくれた。
白夜が、って。
「ねえ……あたしのやってること、間違ってないよね……? これで、合ってるんでしょ……?」
ぽつりとつぶやくと、少しだけ視界がぼやけた。
泣いたらダメ。あたしは、怜が倒れた日から、泣かないって決めてる。
あたしがグズグズしてどうする。
華皇のみんなに、心配かけるから。
はは、まるで、玲夜が言ってたみたいなこと言ってるなあ……。
『……一人で悩まなくても別にいいじゃん。仲間なら、信頼したらいい』
あの日、あたしが玲夜に言った言葉。
あの言葉が、ブーメランみたいにあたしの心に響く。
「はは……あたし、あんなこと言える立場じゃないじゃん……っ」
一人で抱え込めば、誰も心配しない。変に心配なんて、されたくない。
あたしが、しっかりしなきゃ……っ。
そう思っているのに、あたしの口からは、正反対の言葉が溢れた。
『え? なにが?』
「あたし、嫌いだったはずなのに。好きになっちゃうなんて、バカだ」
『……』
「これも、みんなを裏切ってるのと同じだよね? ごめんね……」
『……一番白夜が大っ嫌いだった乃亜が、そこまで洗脳されるなんて。あいつら、どんな奴なんだろ』
「三月たちは、仲良くならない方がきっといいよ」
『そ? ま、嫌いだから仲良くなりてえとか思わないけどー』
「……好きになるのは、あたしだけでいい。復讐の心が鈍るのは、あたしだけでいいんだよ。みんなまで鈍ったら、それこそできなくなっちゃうじゃん」
『……そう、だよな』
そこで、シャワールームから物音が聞こえた。
うわ、玲夜が上がってくるかな!?
このこと、聞かれてたらまずい……!
「あ、ここで切るね! あたし、シェアハウスしてるからさ!」
『っ、はあ!? 誰とだよ!!』
耳元でものすごい大声が聞こえてきて、あたしは顔をしかめる。
「うるっさいってば! 玲夜と!!」
『れ、玲夜って総長だろ!? 呼び捨て!? ってか乃亜が男とシェアハウスとか……許せねえ……っ』
「な、なに言ってるの? まあ、切るから! またね! おやすみ!」
『ちょ、乃亜!! おやすみ……』
少し……いや、かなり不服そうな三月。
一方的に電話を切ってしまったことを、少しだけ申し訳なく思った。
でも……そっか。白夜は、怜をあんな風にしたんだもんね。
あたしは、いつも、絶対に片時も離さずに持っている『あるもの』を取り出した。
……シルバーの、三日月のピアス。
怜が、意識をなくす最後に、伝えてくれた。
白夜が、って。
「ねえ……あたしのやってること、間違ってないよね……? これで、合ってるんでしょ……?」
ぽつりとつぶやくと、少しだけ視界がぼやけた。
泣いたらダメ。あたしは、怜が倒れた日から、泣かないって決めてる。
あたしがグズグズしてどうする。
華皇のみんなに、心配かけるから。
はは、まるで、玲夜が言ってたみたいなこと言ってるなあ……。
『……一人で悩まなくても別にいいじゃん。仲間なら、信頼したらいい』
あの日、あたしが玲夜に言った言葉。
あの言葉が、ブーメランみたいにあたしの心に響く。
「はは……あたし、あんなこと言える立場じゃないじゃん……っ」
一人で抱え込めば、誰も心配しない。変に心配なんて、されたくない。
あたしが、しっかりしなきゃ……っ。
そう思っているのに、あたしの口からは、正反対の言葉が溢れた。

