あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

『――――白夜と仲良くなって、復讐なんて嫌だ、とか。思ってねえよな?』






三月の声が、1オクターブ低くなった。





「っ、それ、は」



『図星? 俺、心配だったんだよね。乃亜に情が移るんじゃないかって』



「……っ」



『……忘れないでよ。あいつらは、怜をやったんだぜ?』



「あ……」






そうだ。


あたしは、何を忘れていたんだろう。






――――白夜は、怜を、お兄ちゃんを。




あんな風にしたんだった。









放心状態になって無言になったあたしの様子を、スマホを通じて感じ取ったのか、三月は息をついた。






『はー、よかった。ちゃんと復讐心はあるみたいだね。ねえ、乃亜。乃亜は、白夜と仲が良いって事だろ?』



「……そう、だよ。一応、白夜の姫もやってる」



『うわ、まじか。じゃあさ……もっと、白夜と仲良くなっとけよ』



「え? なんで」



『仲が良いってことは、あいつらからしても大切な存在って事だろ。大切な存在から、裏切られる。それこそ、最悪な復讐な気がするんだよね、俺』










それを聞いて、あたしは要の事を思い出す。



要が裏切った、と言ったとき。




本気で白夜を裏切ってスパイをしたと勘違いしたみんなは、絶望の表情を浮かべていた。



じゃあ、あたしの裏切りを伝えるだけで。













――――白夜は、絶望する、よね?