あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

「えっと……僕、話してもいい?」



「あ、ごめんね、要くん。いいよ!」



「うん、どうした?」







琴音ちゃんと夏希さんに言われて、要がごくり、と喉を鳴らしたのがわかった。



少し不安げにあたしを見てきた要。



あたしは少し微笑んで、がんばれ、と口で伝えた。








「……ごめん。お前らのこと、裏切ってた」




「は?」


「え?」


「今、なんて……」


「裏切って、た……? スパイだったってことかよ……?」







絶望したような白夜の顔を見て、あたしは、はっとした。





あたしが、復讐する時。


その時は、みんな絶望するのかな……?






こんな表情、させたいわけじゃ……。









「違う。スパイはしてねえ」



「ちょ、待って? 要ってそんなキャラだったっけ」


「俺も思った。こんな風に喋るようなやつじゃ……」




「————俺は、お前らに本当の自分で接してこなかったんだ。十分な裏切りだろ」







顔をしかめて、辛そうな表情で話す要を見て、みんなが驚いたような表情をする。







「……俺は別にいいと思うけどなあ、びびったじゃん、がちで裏切ったのかと思った」



「っ、夏希」



「そーそー。なんでか知らねえけど、嫌だったんだろ? 打ち明けてくれてありがとな、要!」



「り、く……」






自分の想像していた返事と違ったのか、驚いたような表情を浮かべた。


そして、少しだけ目から溢れた涙をぬぐって、笑顔を見せた。






「————ありがと、お前ら」











よかったね、要。




あたしは、心の中でそう呟いた。











————あたしも、こうやって打ち明ける時が来る。



今は6月。








復讐の日まで、残り約半年だ。









弱点、もう見つけたよ。



みんなのね。







でも、それが華皇のみんなに言えないのは、きっと……。









————白夜が、好きになったんだって。心が叫んでるからだ。