あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

あたしのせいで、死んだんだから。


きっと、あたしたちに継がれることは本望じゃない——。




もう、あたしは✗✗の人間じゃない。


もう、あの名前は捨てるんだ。



そう思って、あたしたちは、花宮になったんだから。




そして、もしもあたしたちが元の家に帰る時は。




———漣組を、潰す時だけだ。






『ねえ、怜。復讐しようよ』


『え?』


『———あいつら、漣組を潰す』



あたしが冷たくそう言うと、怜は静かに頷いた。



『……そうだね。一緒に潰そうよ、漣組』



このときに、あたしたちは復讐するって決めたんだ。