あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

じゃあ、分かってる人だけ————。







「……っ」






なんで?



なんで、声が……っ。







『? 乃亜? 大丈夫か……?』



「……あっ、うん。えっと、白夜だっけ。ごめんね、わかんない」



『そっかあ。あいつら、わかりにくいんだろうね。まったく、うざいなあ』



「……あ、じゃあもうすぐ授業始まると思うから! じゃあねっ」



『あ、ちょっと、乃亜っ……』








一方的に電話を切って、深呼吸をした。




な、なんで?






言えば良かったじゃん、あたし。






なのに、声が出なくて————。











憎い相手だ。情報共有するため、弱点を伝えるためにここに来たんだ。




言わなかったら、あたしがわざわざ転校までしてきた意味はない。