あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─


もう体力の限界が来ていたあたしたちは、そこで気を失った。





次に目が覚めると、それは家の中だった。


起き上がると、隣にはまだ眠っている怜がいた。



あたしたちは、助けてもらえたんだ……。




あたしたちを助けてくれたのは、花宮組の組長一家だった。


花宮組は全国レベルの組ではあるけど、それでも正統派だ。



あたしが今までの経緯を説明すると、とても驚かれた。


その後、あたしたちは、この家の人に引き取られることになった。



そして……あたしは、花宮 乃亜になった。




しばらくして、パソコンが使えるようになり、怜があの時の状況について調べると、いろんな情報が出てきた。



お父さんとお母さんは、もうこの世にいないこと。


あのとき、殺されたのはお父さんとお母さんだけだったらしい。


組と財閥は、お父さんとお母さんの兄弟が現在継いでいるとか。




それから、あたしと怜を探していると言うことも——。



でも、あたしたちに帰るつもりはなかった。


お父さんとお母さんは、きっとあたしを憎んでいる。