あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─



それは、きっと乃亜が取り残された人だからだろう。



両親も、双子のお兄さんも。もういないって、当たり前のように生きることが出来ないって。








「……お前は、取り残された側なのか?」








陸がそう聞くと、乃亜はふっと自嘲的に笑って頷いた。









「うん、だからよくわかる。これは空にも言ったけど、あたしは親にも、お兄ちゃんにも置いて行かれちゃったからね」







「……っ」








「……ああなるってわかってたら。もっと一緒に居られる時間を大切にすればよかった。お兄ちゃんに、あんなこと言わなければよかったって。そう後悔してるんだよ」













乃亜は、辛い思いをしているから、その分寄り添える。



辛い気持ちを分かってあげることが出来る。






だから、話を聞いてもらうと楽になるんだろうな。








「……もう、あんなこと言おうとしたらだめだよ。二人とも、お互いのこと大好きなくせにね」



「はっ!? 大好きとか、ちげえって……」



「俺は……陸のこと、大好きだし、一緒にいてくれて嬉しかった」



「お、お前っ……」



「さっき、ごめん。俺が辛かったとき、一緒にいてくれてありがとう。俺と双子でいてくれてありがとう」








恥ずかしかったけど、包み隠さず伝えた。



すると、陸は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。






「っ……」






照れ屋だな、陸は。






「……ありがと、ごめん」




「え?」






今、ありがとって……。



いつも、お礼も恥ずかしがって言わない陸が……。







「……俺だって、感謝してるし、ばか」






すごく小声だったけど、俺はすごく耳がいいから聞こえる。