それは、きっと乃亜が取り残された人だからだろう。
両親も、双子のお兄さんも。もういないって、当たり前のように生きることが出来ないって。
「……お前は、取り残された側なのか?」
陸がそう聞くと、乃亜はふっと自嘲的に笑って頷いた。
「うん、だからよくわかる。これは空にも言ったけど、あたしは親にも、お兄ちゃんにも置いて行かれちゃったからね」
「……っ」
「……ああなるってわかってたら。もっと一緒に居られる時間を大切にすればよかった。お兄ちゃんに、あんなこと言わなければよかったって。そう後悔してるんだよ」
乃亜は、辛い思いをしているから、その分寄り添える。
辛い気持ちを分かってあげることが出来る。
だから、話を聞いてもらうと楽になるんだろうな。
「……もう、あんなこと言おうとしたらだめだよ。二人とも、お互いのこと大好きなくせにね」
「はっ!? 大好きとか、ちげえって……」
「俺は……陸のこと、大好きだし、一緒にいてくれて嬉しかった」
「お、お前っ……」
「さっき、ごめん。俺が辛かったとき、一緒にいてくれてありがとう。俺と双子でいてくれてありがとう」
恥ずかしかったけど、包み隠さず伝えた。
すると、陸は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
「っ……」
照れ屋だな、陸は。
「……ありがと、ごめん」
「え?」
今、ありがとって……。
いつも、お礼も恥ずかしがって言わない陸が……。
「……俺だって、感謝してるし、ばか」
すごく小声だったけど、俺はすごく耳がいいから聞こえる。

