あなたに✗✗を捧ぐ。 ─少女は復讐相手に溺愛される─

思わずびくっとしてしまった。






乃亜が、こんなに怒るとも思わなかったから。












「……その言葉は、絶対に言ったらだめ」




「は……?」




「本当に会えなくなっても言いわけ? もう、二度と会えるかも分からないのよ!?」




「っ……」











そ、それは……。











「感情的になってどうするの……? お互いがお互いが必要ないって思ってる……? 違うでしょ。二人はずっと支え合ってきたんでしょ!?」




「でもっ」



「少なくとも!! あたしには二人が仲良く見えた。お互いを支え合ってるように見えた!」






乃亜にそう言われて、少しだけ頭が冷えてきた。



……確かに、その通りかもしれない、けど。







「俺は……」










「それは、お互いが恐れてただけだよ。怖がってただけ。傷つけないように必死だったんでしょ……?」





「……」





「水無月。お前、自分はかわりが効く、とか言ってたよね」




「ああ……」




「きっと、白夜のみんなはそう思ってないよ。それに、空にとっては、たった一人のお兄ちゃんなんだから」





「……!」





「自分の事、もっと大切にして。いなくなるとか、消えればいいとか考えないで。取り残された方は、すごく辛いんだから」









取り残された方は、辛い。



さっき、屋上で俺にも言った言葉だ。