ナイショの妖精さん1

 ……うわぁ……。

 あらわれたのは、広いフローリングの一間だった。あたしの部屋が三つも四つも入りそう。その南から西まで、ぜんぶ窓。

 窓の外は、夕日を受ける海を見わたせる。

「スゴイ、絶景……」

 あたしは地元民だから、海なんて見慣れてる。

 だけど、地上から見る海って、防波堤や波消しブロックでくぎられている。180度に広がる水平線なんて、そうそうお目にかかれない。

「おい。窓じゃなくて、こっちだ」

 ふり向いたら、ダークブラウンの木の本だなが、ずんと壁をうめていた。

 窓ののこり、二面の壁がぜんぶたな。天井からゆかまでのつくりつけ。
 ぎっしりとつまった本は、学校の図書室の本よりも古そう。背表紙は英語ばかり。

「閉めきってたわりには、ほこりがつもってないな」

 中条が見あげているたなには、空の密封ビンがならべてあった。下の段には、理科の実験でつかうビーカー。かと思ったら、すりこぎに、厚底なべ。

 う~んと。図書室と、理科室と、調理室がいっしょになっちゃったって感じ?

「ねぇ、この部屋、なに……?」