ランドセルから家の鍵を出して。ドアを開けて、中条は中にあごをしゃくった。
「店のことは、学校のヤツらに話すなよ。家におしかけられると、めんどうだから」
「え~? なんで? お客さんがあつまったほうがいいんじゃないの?」
「うるさいのはイヤなんだよ。年がら年中キャアキャア言われてたら、気が休まらないだろ?」
「なによ。学校じゃ、女子たちにかこまれて、ニヤけてるくせに」
「そりゃ、うれしいに決まってんだろ、オトコなんだから。別格みたいで気分いいし」
なにこの人、サイアクっ!
「モテモテの自分」を人に見られるのは大好きだけど、みんなのいないとこじゃ、「ほっといてくれ」ってこと?
やっぱり、女子たちを、にぎやかしぐらいにしか思ってないじゃん。
「ヒドイ、中条。リンちゃんたちは、本気で中条のことが好きなのに……」
「……べつに。だれも、本気でオレのことを好きなわけじゃねぇだろ。アレだよ。ドラマとかマンガのオトコにオレを重ねあわせて。勝手に妄想ふくらませて、楽しんでるってヤツ」
……冷めてる……。
玄関にあがったら、廊下の横にお店の入り口があって、中には、脚がくるんと丸まったテーブルとイスが、たくさんならんでいた。
お店は休みで、だれもいない。
ふいごの置いてある薪ストーブ。壁からぶらさがるドライハーブ。海に面したテラスには、白いパラソルがアサガオの花みたいに開いてる。
「かあさんはまだ、買出し中だな」
中条はカウンターの中に入っていって、ごそごそなにかやってる。
「……ねぇ、女子たちの気持ちがわかっててさ。中条はむなしくならないの?」
「べつに。いいんじゃねぇの? 利害が一致してるんだから」
……それはそうなんだけど。
な~んか、もやもや。
「店のことは、学校のヤツらに話すなよ。家におしかけられると、めんどうだから」
「え~? なんで? お客さんがあつまったほうがいいんじゃないの?」
「うるさいのはイヤなんだよ。年がら年中キャアキャア言われてたら、気が休まらないだろ?」
「なによ。学校じゃ、女子たちにかこまれて、ニヤけてるくせに」
「そりゃ、うれしいに決まってんだろ、オトコなんだから。別格みたいで気分いいし」
なにこの人、サイアクっ!
「モテモテの自分」を人に見られるのは大好きだけど、みんなのいないとこじゃ、「ほっといてくれ」ってこと?
やっぱり、女子たちを、にぎやかしぐらいにしか思ってないじゃん。
「ヒドイ、中条。リンちゃんたちは、本気で中条のことが好きなのに……」
「……べつに。だれも、本気でオレのことを好きなわけじゃねぇだろ。アレだよ。ドラマとかマンガのオトコにオレを重ねあわせて。勝手に妄想ふくらませて、楽しんでるってヤツ」
……冷めてる……。
玄関にあがったら、廊下の横にお店の入り口があって、中には、脚がくるんと丸まったテーブルとイスが、たくさんならんでいた。
お店は休みで、だれもいない。
ふいごの置いてある薪ストーブ。壁からぶらさがるドライハーブ。海に面したテラスには、白いパラソルがアサガオの花みたいに開いてる。
「かあさんはまだ、買出し中だな」
中条はカウンターの中に入っていって、ごそごそなにかやってる。
「……ねぇ、女子たちの気持ちがわかっててさ。中条はむなしくならないの?」
「べつに。いいんじゃねぇの? 利害が一致してるんだから」
……それはそうなんだけど。
な~んか、もやもや。
