「――は?」
「中条、怖いんでしょ? もし、一番奥の穴のぞいて、もう一度見ちゃったらって思ったら、怖いから、なかったことにしたいんだ?」
「えっ? なになに? もしかして和泉たち、ホントにオバケ見たの~?」
後ろから、誠がうれしそうに首をつっこんでくる。
その誠のおでこを、中条がぺんっとはたいた。
「おまえはだまっとけ。――なんだよ、和泉。ケンカ売ってんの?」
こめかみを、つっと汗が伝っていく。
失敗したかもしれない。
あたし、クラスのボスにかみついてる……?
だけど、引きさがれない。
せっかく妖精を見たのに、なかったことにして、このまま帰れない。
「いいよ、中条君。和泉さんは置いて、集合場所にもどろ。待ってたって、待ってなくったって、和泉さんは、どうせ迷子になるんだから」
「いや。オレものこる」
あたしは「え?」と相手を見あげた。
中条はジーンズの後ろポケットに両手をつっこんで、リュックの取っ手を片側にだけかけて、リンちゃんたちをふり返ってる。
「班長の責任があるからな。悪いけど、倉橋は誠を連れて、先に行って」
「は~? なんだよ、葉児ぃ~。オレものこってオバケ退治したいんだけど~」
「おまえがいると、さらに遅くなりそうなんだよ! おとなしく先行け」
身長の低い誠の背中をひょいっと前に押し出して。しぶしぶリンちゃんと歩き出した誠を見送って。
石膏みたいに冷めたほおが、あたしに向き直った。
「――で? なに? 度胸だめし、しろって?」
「中条、怖いんでしょ? もし、一番奥の穴のぞいて、もう一度見ちゃったらって思ったら、怖いから、なかったことにしたいんだ?」
「えっ? なになに? もしかして和泉たち、ホントにオバケ見たの~?」
後ろから、誠がうれしそうに首をつっこんでくる。
その誠のおでこを、中条がぺんっとはたいた。
「おまえはだまっとけ。――なんだよ、和泉。ケンカ売ってんの?」
こめかみを、つっと汗が伝っていく。
失敗したかもしれない。
あたし、クラスのボスにかみついてる……?
だけど、引きさがれない。
せっかく妖精を見たのに、なかったことにして、このまま帰れない。
「いいよ、中条君。和泉さんは置いて、集合場所にもどろ。待ってたって、待ってなくったって、和泉さんは、どうせ迷子になるんだから」
「いや。オレものこる」
あたしは「え?」と相手を見あげた。
中条はジーンズの後ろポケットに両手をつっこんで、リュックの取っ手を片側にだけかけて、リンちゃんたちをふり返ってる。
「班長の責任があるからな。悪いけど、倉橋は誠を連れて、先に行って」
「は~? なんだよ、葉児ぃ~。オレものこってオバケ退治したいんだけど~」
「おまえがいると、さらに遅くなりそうなんだよ! おとなしく先行け」
身長の低い誠の背中をひょいっと前に押し出して。しぶしぶリンちゃんと歩き出した誠を見送って。
石膏みたいに冷めたほおが、あたしに向き直った。
「――で? なに? 度胸だめし、しろって?」
