「……ふ~ん」
「戦争のときにつかわれた」って言われたって、あんまり実感わかないんだよね。
それにここ、レンガをつんでつくられているから、一見、日本じゃなくて、ヨーロッパの遺跡みたい。
たとえば、妖精が住んでいそうな……。
「中条君、そろそろ集合場所にもどろ。ここ、なんか肌寒くてオバケ出そう」
立て札の文をうつし終わったリンちゃんが、自分の肩をさすった。
「だな。これ以上、写真撮るとこもなさそうだし、さっさと引きあげるか」
「え……あの……。でも……」
あたしまだ、一番奥のアーチの中、見てないんだけど……。
そっちへ歩きかけたら、「おい、和泉」って低い声で呼ばれた。
「なにしてんだ。行くぞ。これ以上、団体行動を乱すな」
「で、でもっ!」
中条だって見たはずじゃない! あの中に妖精が入ってくのをっ !!
「でもも、けどもないっ!」
あたしをにらんでくる、琥珀色の硬い目。
その目の奥が、一瞬、ふ~ってゆらいで見えた。
……あ。なんかストンって、胃に落ちた気分。
「わかった。怖いんだ」
「戦争のときにつかわれた」って言われたって、あんまり実感わかないんだよね。
それにここ、レンガをつんでつくられているから、一見、日本じゃなくて、ヨーロッパの遺跡みたい。
たとえば、妖精が住んでいそうな……。
「中条君、そろそろ集合場所にもどろ。ここ、なんか肌寒くてオバケ出そう」
立て札の文をうつし終わったリンちゃんが、自分の肩をさすった。
「だな。これ以上、写真撮るとこもなさそうだし、さっさと引きあげるか」
「え……あの……。でも……」
あたしまだ、一番奥のアーチの中、見てないんだけど……。
そっちへ歩きかけたら、「おい、和泉」って低い声で呼ばれた。
「なにしてんだ。行くぞ。これ以上、団体行動を乱すな」
「で、でもっ!」
中条だって見たはずじゃない! あの中に妖精が入ってくのをっ !!
「でもも、けどもないっ!」
あたしをにらんでくる、琥珀色の硬い目。
その目の奥が、一瞬、ふ~ってゆらいで見えた。
……あ。なんかストンって、胃に落ちた気分。
「わかった。怖いんだ」
