そのあとは、トントン拍子にことが進んだ。職員室の先生たちにマスターキーで外から教室を開けてもらい、先生と夕崎くんも補習棟を出られた。
矢部先生は救急車で病院に運ばれて、回復に向かっているらしい。
明日の補習からは現校舎へと場所が変更になり、暑さの心配がなくなった。
今日の補習は中止となり、私はバス停へと歩を進めている。
201教室を飛び出してから、夕崎くんと話すタイミングがなかった。
明日はいろいろ聞かれるかな。木が腐っているかも確かめず飛んだ私に呆れるかな。自分もできるようになりたいって言ってくるかな。
いつもはなるべく予想をしないようにしているけど、どんどん考えてしまう。
「あ、私は、明日が楽しみなんだ」
なんだか嬉しくなって、スキップしながらバス停を目指した。

