段々と山が険しくなってきた。
日の照りで上を見れば眩しいけれど、目の前は少し薄暗くなっている。まさに、冒険みたい。
みんなで一歩一歩、確実に、足を踏み出して。
すると、奥に瓦礫が崩れた跡がある。
樹木たちの中でひっそりとある瓦礫たち。
「あれ…、か」
夏目が呟く。まるで怯えているようだ。
そんな夏目の背中を七海が叩く。
「行くよ」
みんなで、瓦礫に向かって。
すると瓦礫の下でなにかが輝いた。
雨龍石…。
直感だけでそう分かった。
その宝石に触れようとした瞬間。
大粒の雨が空から降り注いできた。
「わっ…、久しぶりの雨だ…!」
七海が空を見上げながら呟く。
すると、導かれるように海の方へ光が差した。
みんなで顔を合わせる。
「…、行こう」


