互いに目を合わせた後、三人の中にあった沈黙や硬い雰囲気がなくなっていくような感覚がした。
「夏目たちってどこから来たの?」
「ぼ、僕は東京から…」
「え!?東京から!?なんで!?」
夏目が東京出身だと言うと七海は凄まじく驚いたように夏目の側へ足を踏み出す。
七海のその仕草に夏目は怖がるように後退りをした。
「陽紡は?どこから来たの?」
私は思い出してみる。
自分がなぜ今ここにいるのか。
しばらく三人の中に沈黙が流れた。
私はいくら考えても思い出せなかったから、
「海から…?」
嘘ではない。
実際、海にあるボロ屋敷から私は来んだから。
私が海から来たと言うと、七海はまた驚いたように、でも目を輝かせている。
「マジ!?人魚じゃん!先生に自慢しなきゃ!」
そう言って七海は突然元来た道を戻り始めた。
七海が勢いよく坂を登っていく姿を夏目と眺める。
「…い、行く?」
夏目の提案に首を縦に振る。
二人で坂を駆け上った_____。
着いたのは丘の上にある家だった。
木々の中の抜け道を抜けて見えた先には白い木材で造られた開放的な家。
透けている硝子が嵌められた扉。
そして、家の周りにはガーデニングもある。
その花壇の前に七海がいた。
夏目と共に七海の元へ向かう。
すると、なにやら別の人と話しているようだった。
「あっ!この子たち!」
すると、突然七海が私たちを指差してその人に紹介し始める。
七海が話していた人を見た。
茶髪で眼鏡を掛けている男性。
「…、優…?」
男性が突然知らない人の名前を呼んだ。
男性は私を警戒するように見つめる。
私もなんだか怖くなってきて、後退りをした。
「せんせー違うよ〜!その子は陽紡っていうの!」
七海がそう言い、私は男性に向かって浅くお辞儀をした。ただ首を少し動かしただけだけど。
すると、男性は何かを思い出したように目つきを変えた。
「そうか…。…、初めまして佐藤優希といいます」
「陽紡…、です」
第一印象は最悪だけれど、さっきと打って変わって優しそうな瞳で私を見ている。
「夏目です」
隣にいる夏目は俯きながら地面に向かって挨拶をした。それを見て先生は笑っている。
「外も暑いから中に入りなよ」
佐藤にそう言われ、渋々中へと入った。
確かに外はじめじめと蒸し暑く、汗が噴き出ている。
佐藤家に入ると、中はひんやりとしていて心地よかった。
夏目、七海とソファーへ腰掛ける。
七海はここに来るのに慣れているのか足をぶらんと遊ばせながら座り、逆に夏目は足をぴたりと合わせて座っていた。
すると、佐藤は4つのカップを持ってきて私たちの前に置く。
中身を見てみると、なにやら液体が入っていた。
「怪しいものは入れてないよ」
苦笑いをしながら佐藤は私を見る。
カップを手にとって一口飲んでみた。
なにやら不思議な味がする。
飲んだことのない味。少し苦かった。
「普通のお茶なんだけどな…」
私が苦そうにしているのを見て佐藤はそう言う。
夏目や七海を見ると普通に飲んでいた。
きっと、私の舌に合わないだけだろう。
「で…、君たちはどこから来たんだって?」
「私は島のね〜!」
「七海はもう知ってるよ」
佐藤は七海が言おうとしたのを制止して私たちに目線を合わせた。
「ぼ、僕は東京から…」
夏目がそう言う。
すると、佐藤は夏目に目線を合わせて頬杖をつきながら夏目に聞き始めた。
「親御さんは?ここまで来るには遠いだろう?」
佐藤がそう言うと、夏目はバツが悪そうに俯く。
聞かれたくない事でもあるのだろうか。
それでも、佐藤は夏目に質問をする。
「今、幾つ?」
「12…、です」
「えぇ、同い年〜!」
夏目が歳を言うと、七海が嬉しそうにはしゃぐ。
夏目は変わらずに俯きながら苦笑い。
そして佐藤は考え込むように眉間に皺を寄せている。
「まだ子供だろう…?
そんな子供が一人で島に…?」
「…、それ以上は…」
佐藤の質問を遮り夏目が言葉を発した。
きっと、これ以上詮索はするなという意味だろう。
すると、佐藤は夏目に質問をするのを辞めた。
そして標的を私に変える。
「君は?どこから来たの?」
「海」
私は夏目みたいに隠すことはない。
が、覚えてることもない。
「…、何歳?」
「う〜ん…、12…?」
夏目と七海が12歳ということは自分も12歳だろうという謎理論を繰り出す。
「親御さんは…?」
佐藤はなんだか可笑しそうに言った。
今にも笑いそうな感じ。
「いないよ」
そう言った瞬間に佐藤は笑いを溢したが、すぐに治った。この人はなんなんだ。
「わかった…、もういいや」
そう言って佐藤はカップの中にあるお茶を飲む。私は飲む気になれず、そのままだ。
「俺は、佐藤優希。この島育ちの28歳。
七海の元担任だ」
元担任…?
親の事を担任というのか、この島は。
「よろしくね。夏目くん、陽紡ちゃん」
佐藤が此方に手を出す。
私はその手を取った。
「よろしく、佐藤」
「佐藤“先生”ね」
「夏目たちってどこから来たの?」
「ぼ、僕は東京から…」
「え!?東京から!?なんで!?」
夏目が東京出身だと言うと七海は凄まじく驚いたように夏目の側へ足を踏み出す。
七海のその仕草に夏目は怖がるように後退りをした。
「陽紡は?どこから来たの?」
私は思い出してみる。
自分がなぜ今ここにいるのか。
しばらく三人の中に沈黙が流れた。
私はいくら考えても思い出せなかったから、
「海から…?」
嘘ではない。
実際、海にあるボロ屋敷から私は来んだから。
私が海から来たと言うと、七海はまた驚いたように、でも目を輝かせている。
「マジ!?人魚じゃん!先生に自慢しなきゃ!」
そう言って七海は突然元来た道を戻り始めた。
七海が勢いよく坂を登っていく姿を夏目と眺める。
「…い、行く?」
夏目の提案に首を縦に振る。
二人で坂を駆け上った_____。
着いたのは丘の上にある家だった。
木々の中の抜け道を抜けて見えた先には白い木材で造られた開放的な家。
透けている硝子が嵌められた扉。
そして、家の周りにはガーデニングもある。
その花壇の前に七海がいた。
夏目と共に七海の元へ向かう。
すると、なにやら別の人と話しているようだった。
「あっ!この子たち!」
すると、突然七海が私たちを指差してその人に紹介し始める。
七海が話していた人を見た。
茶髪で眼鏡を掛けている男性。
「…、優…?」
男性が突然知らない人の名前を呼んだ。
男性は私を警戒するように見つめる。
私もなんだか怖くなってきて、後退りをした。
「せんせー違うよ〜!その子は陽紡っていうの!」
七海がそう言い、私は男性に向かって浅くお辞儀をした。ただ首を少し動かしただけだけど。
すると、男性は何かを思い出したように目つきを変えた。
「そうか…。…、初めまして佐藤優希といいます」
「陽紡…、です」
第一印象は最悪だけれど、さっきと打って変わって優しそうな瞳で私を見ている。
「夏目です」
隣にいる夏目は俯きながら地面に向かって挨拶をした。それを見て先生は笑っている。
「外も暑いから中に入りなよ」
佐藤にそう言われ、渋々中へと入った。
確かに外はじめじめと蒸し暑く、汗が噴き出ている。
佐藤家に入ると、中はひんやりとしていて心地よかった。
夏目、七海とソファーへ腰掛ける。
七海はここに来るのに慣れているのか足をぶらんと遊ばせながら座り、逆に夏目は足をぴたりと合わせて座っていた。
すると、佐藤は4つのカップを持ってきて私たちの前に置く。
中身を見てみると、なにやら液体が入っていた。
「怪しいものは入れてないよ」
苦笑いをしながら佐藤は私を見る。
カップを手にとって一口飲んでみた。
なにやら不思議な味がする。
飲んだことのない味。少し苦かった。
「普通のお茶なんだけどな…」
私が苦そうにしているのを見て佐藤はそう言う。
夏目や七海を見ると普通に飲んでいた。
きっと、私の舌に合わないだけだろう。
「で…、君たちはどこから来たんだって?」
「私は島のね〜!」
「七海はもう知ってるよ」
佐藤は七海が言おうとしたのを制止して私たちに目線を合わせた。
「ぼ、僕は東京から…」
夏目がそう言う。
すると、佐藤は夏目に目線を合わせて頬杖をつきながら夏目に聞き始めた。
「親御さんは?ここまで来るには遠いだろう?」
佐藤がそう言うと、夏目はバツが悪そうに俯く。
聞かれたくない事でもあるのだろうか。
それでも、佐藤は夏目に質問をする。
「今、幾つ?」
「12…、です」
「えぇ、同い年〜!」
夏目が歳を言うと、七海が嬉しそうにはしゃぐ。
夏目は変わらずに俯きながら苦笑い。
そして佐藤は考え込むように眉間に皺を寄せている。
「まだ子供だろう…?
そんな子供が一人で島に…?」
「…、それ以上は…」
佐藤の質問を遮り夏目が言葉を発した。
きっと、これ以上詮索はするなという意味だろう。
すると、佐藤は夏目に質問をするのを辞めた。
そして標的を私に変える。
「君は?どこから来たの?」
「海」
私は夏目みたいに隠すことはない。
が、覚えてることもない。
「…、何歳?」
「う〜ん…、12…?」
夏目と七海が12歳ということは自分も12歳だろうという謎理論を繰り出す。
「親御さんは…?」
佐藤はなんだか可笑しそうに言った。
今にも笑いそうな感じ。
「いないよ」
そう言った瞬間に佐藤は笑いを溢したが、すぐに治った。この人はなんなんだ。
「わかった…、もういいや」
そう言って佐藤はカップの中にあるお茶を飲む。私は飲む気になれず、そのままだ。
「俺は、佐藤優希。この島育ちの28歳。
七海の元担任だ」
元担任…?
親の事を担任というのか、この島は。
「よろしくね。夏目くん、陽紡ちゃん」
佐藤が此方に手を出す。
私はその手を取った。
「よろしく、佐藤」
「佐藤“先生”ね」


