僕らのあの海


光が差す方へと私たちは走った。
雨を気にする事なく、ただ、我武者羅に。
光が差していたのは、水面だった。
私たちは砂浜に立ち尽くす。

すると、突然海の中から巨大な波が現れた。
その波は私たちを飲み込みそうなほどに大きなものだった。

「な、なにあれ…」

波がみるみる内に変化していき、やがて大きな竜へと変化していった。

「あれが…、水龍様…!?」

夏目も思わず大きな声を出して驚いている。
私はただ茫然と立ち尽くしていた。
佐藤(せんせい)も同じみたい。

『お主らが…、宝石を壊した輩どもか…?』

水龍様が私たちを睨む。
その圧力に負けて体が硬直していった。

「ち、違う!私たちじゃない…!」

七海が声を張り上げる。
それでも、声は微かに、いや大きく震えていた。

『ほぉ…、そうか…。
陽紡、お前は此奴(こいつ)らの何が見れた?』

名前を呼ばれた瞬間、体がびくりと跳ねる。

「なんで…、私の名前知ってるの…?」