日向さんは私を強く抱き寄せ、熱を分け合うように身体を重ねてきた。
必死な甘え方は、拒めるものじゃなかった。
……けれど、その後。
普段なら少しは言葉を交わすのに、彼は肩で荒く息をしながら、やがて私に顔を埋めたまま動かなくなった。
「……ごめん。ほんと、もう限界……寝る」
かすれた声を残して、眠りに落ちていく。
私はぽかんと彼を見つめた。
「……え? もう?」
いつもなら「よかった?」とか「ありがとう」とか、一言はかけてくれるのに。
あまりにもあっさり寝息を立てはじめる姿に、胸の奥が小さくムッとする。
「……ずるい」
思わず小さくつぶやいた。
でも、その寝顔はあまりにも疲れ果てていて、反論をぶつける気も失せてしまう。
頬をふくらませながらも、そっと彼の髪を撫でた。
「……仕方ないなぁ。おやすみなさい」
拗ねたまま、それでも寄り添って眠りにつく。
そして、眠ったはずの彼の口から、安堵のような小さな吐息がもれた。



