牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)



そのまま彼は、堪えきれないように私を引き寄せる。
次の瞬間、胸に重みと温もりが押し当てられた。

「……桜」
低く名前を呼ぶ声が震えていた。

胸に顔を埋めた彼の肩が小刻みに揺れている。
強くて、誰よりも冷静で、いつも私を守ってくれる人が――
今はまるで、迷子の子供のように泣いていた。

「……ごめん、ごめんな……」
掠れる声に、私の心臓も痛みでいっぱいになる。

私はただ、背中に両腕を回し、強く抱きしめ返した。
「大丈夫です。……泣いていいんです」

静かな部屋に、彼の嗚咽が滲む。
雪の降る夜、ようやく触れられた彼の一番弱い部分を、私は胸いっぱいに受け止めていた。