必死に言葉を重ねた私に、日向さんはしばし沈黙していた。
やがて、深く息を吐き、震える声でぽつりとこぼす。
「……怖かったんだ」
その声音に、私は思わず身を乗り出した。
「本当は打ち明けたかった。けど、同時にこんな汚い権力ゲームに巻き込まれてることを知られて幻滅されるのが怖かった」
彼の手が震えていた。
私はそっと、その手を包み込む。
「……でも、もう限界だった。
君にだけは、強い俺を見せなきゃって思ってたのに。……本当は、支えてほしかったんだ」
初めて聞く彼の本音に、胸が熱くなる。
「日向さん……」
声が震えた。
彼がこんなにも弱さを隠して生きてきたことを思うと、涙が頬を伝った。
「大丈夫です。……私は、ここにいます」
そう言って握る手に力を込めると、彼はようやく私を見つめ返した。
揺れる瞳に、ようやく僅かな安堵が宿っていた。



