牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)



「……私、隣に並びたいんです。
強いって思ってほしい。
でも、本当は……弱い時には頼りたい。
どっちも……叶えたいんです」

その不器用な願いが、胸に鋭く突き刺さった。
こんなにも真っ直ぐに自分を見つめ、必死に言葉を探している。
彼女は弱い子じゃない。
それでも、自分に弱さを見せてくれる。

――愛おしい。
息が詰まるほどに。

気づけば腕が伸びていた。
桜の細い肩を掴み、そのまま強く抱き寄せる。

「……っ」
桜が小さく息を呑むのが分かった。
苦しいかもしれない。
それでも離せなかった。

(俺はどうして、こんなにも縛るように抱きしめてしまうんだろう。
守るって言いながら、結局は自分の欲だ。
彼女を失うのが怖くて、抱きしめ続けてしまう)

桜の体温が胸に伝わり、心臓が速く打つ。
「……桜。
頼っていい。弱くてもいい。
でも……俺から離れることだけは、しないでくれ」

自分でも驚くほど必死な声だった。
それでも、桜は抵抗せずに小さな手を背に回した。

「……苦しいです。
でも……嫌じゃない」

その囁きに、胸が熱くなった。
抱きしめる腕はさらに強くなり、欲と愛が混ざり合っていく。