触れ合った唇は、一瞬で終わらせるつもりだった。
それだけで十分なはずだった。
……なのに。
桜の瞳がそっと開いて、まっすぐに俺を見つめ返した瞬間、理性が軋んだ。
求められている。そう錯覚するには、十分すぎる眼差しだった。
「……桜」
名前を呼ぶ声が掠れて、喉が乾く。
彼女の肩に添えた手が、自然に背中へと滑り落ちる。
細い身体を抱き寄せれば寄せるほど、堪えてきた衝動がせり上がる。
もう止まらない。
彼女の吐息が頬をかすめる。
その温かさに、胸の奥が焼けるように熱くなる。
もっと欲しい。触れたい。抱きしめたい。
「……ごめん」
耳元に落とした声は、自分に向けた警告のようでもあった。
「もう、止められないかもしれない」
桜はわずかに瞳を揺らした。
けれど、拒む言葉はどこにもなく、ただ震えながらも俺のシャツを掴んだ。
その仕草ひとつで、理性は決定的に崩れる。
ベッドの端に押し倒すなんて、俺らしくない。
けれど今だけは――彼女を前に、ただの“医師”でも“大人”でもなく、一人の男でしかいられなかった。
静かな部屋に、重なった吐息と鼓動だけが響いていた。
それだけで十分なはずだった。
……なのに。
桜の瞳がそっと開いて、まっすぐに俺を見つめ返した瞬間、理性が軋んだ。
求められている。そう錯覚するには、十分すぎる眼差しだった。
「……桜」
名前を呼ぶ声が掠れて、喉が乾く。
彼女の肩に添えた手が、自然に背中へと滑り落ちる。
細い身体を抱き寄せれば寄せるほど、堪えてきた衝動がせり上がる。
もう止まらない。
彼女の吐息が頬をかすめる。
その温かさに、胸の奥が焼けるように熱くなる。
もっと欲しい。触れたい。抱きしめたい。
「……ごめん」
耳元に落とした声は、自分に向けた警告のようでもあった。
「もう、止められないかもしれない」
桜はわずかに瞳を揺らした。
けれど、拒む言葉はどこにもなく、ただ震えながらも俺のシャツを掴んだ。
その仕草ひとつで、理性は決定的に崩れる。
ベッドの端に押し倒すなんて、俺らしくない。
けれど今だけは――彼女を前に、ただの“医師”でも“大人”でもなく、一人の男でしかいられなかった。
静かな部屋に、重なった吐息と鼓動だけが響いていた。



