【改稿版】溺愛彼氏  失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

 ーーそして案の定、バイトを終え裏口から出たところで告白の場面に遭遇する。

「ミユ、お疲れー。ちょっと告られてるから待っててくれる?」

 あぁ、マンゴープリンを食べる約束をしていたっけ。だけど今はそれどころじゃないはず。片桐の正面には想いを打ち明ける人が立っている。
 ふいに青山君が告白されている光景が浮かび、いたたまれなくなった。

「マンゴープリンはまた今度。ごめん、邪魔する気は無かった」

 片桐ではなく新人の子に言う。

「待てよ、すぐ終わるから。俺はすでにマンゴープリンの口になってるんだ! 今度なんて嫌だし!」

「すぐ終わるって何? 彼女と食べたらいいじゃない? 付き合ってみるんでしょ?」

 感じの悪い言い方と自覚はある。告白の最中に外野から口論をけしかけるなんていけない、唇を噛み言葉を押し留めようとしたのだけどーー

「さっきも言ったけどさ、お試しで付き合うなんて止めた方がいいよ。わたし達は試供品じゃない、思ってたのと違うって返品されるのってキツイから」

 実体験に基づく後悔を語っていた。

「もっとキツイのは返品された後も好きで、お試し期間が幸せだったなぁとか感じる時だよ」

 二人をポカンッとさせてしまい、気まずい。なにより青山君に未練タラタラであるのを改めて痛感し、鼻の奥がつんとする。