【改稿版】溺愛彼氏  失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

「青山君、ごめんね? 片桐が迷惑掛けちゃって」

 代わりに謝る。

「いや、片桐の言う通りだと思って。用がある側が来るべきだよね。少しいいかな?」

 わたしから話は無くとも、申し出を受ければ断りにくい。片桐を気にかけつつ首を傾げた。

「いい、けど……何かな?」

 久しぶりにおしとやかな口で尋ねる。

 青山君に振られた際『思っていたのと違った』と言われた理由はマンガに出てきそうな女の子を一生懸命演じていたのを見破られたからだ。
 わたしは短期間ですらその仮面を付けられず、がっかりさせてしまった。

 青山君と向き合うと理想と現実の差に突き落とされ、こういうドキドキは少なくとも恋じゃない。恋に恋をしていた状態だと今なら分かる。

「髪切ったんだ?」

「え、あ、うん」

 長い髪が好みだと知り伸ばしたものの、ケアが大変。わたし自身が短い髪が好きなのもあって失恋を言い訳に切ってしまった。

「また伸ばしてくれないかな?」

 鼻先を擦り、照れた顔で青山君か言う。

「え?」

「あれから僕も考え直した」

 青山君はここから一方的に語り始める。

「君は授業の予習をして教えてくれたり、お弁当を作ってくれた。僕の好きなゲームやスポーツを一緒に楽しんでもくれたよね?」

 わたしを認めてくれる内容なのにちっとも嬉しくないのは、彼が目の前のわたしを見ていないからだろう。

「僕の為にそこまでしてくれる人は君しかいないかもしれない。他の子に同じ事が出来るか確かめたら出来ないと言われて、君が僕を本気で好きなんだと理解したよ」