俺は星野悠斗。桜空学校に通う高校１年生。
数いる生徒の中でも俺は割と静かな方だと
思っている。だって、俺には必需品とも言える一冊の本があるから。

拓弥 「お前、また本読んでんの？笑
たまには俺の話でも聞いてくれよー」

こっちは友達の拓弥 。こいつとは中1の頃からずっと一緒に過ごしてきた。

悠斗「別にいいだろ、それにお前の失恋話は聞き飽きたわ 笑」

拓弥「えー、だってー皆俺の魅力わかってくれないし？」

悠斗「どこが魅力だ馬鹿、女遊びしてるだけじゃねぇか」

拓弥には過去に色んな女にとっかえひっかえアタックしていた。
だが案の定、（下心丸出しできもい）と全員に嫌われている。

こいつにまともな彼女など出来るのだろうか… 。

拓弥「それはそうと、今日から転校生来るってさ。」

悠斗「え、珍しい。誰だろう？」

拓弥「詳しい事は知らねぇけど、めちゃくちゃ可愛いらしい。」

悠斗「そうか」

拓弥「おい、何でそんな乗り気じゃねぇんだよ。めちゃくちゃ可愛いんだぞ！？」

悠斗「ほぇー」

なんて拓弥と他愛もない会話をしていたら先生が教室に入ってきた。

先生「お前ら席につけー」

全員が着席し、周囲は一瞬で静まった。

先生「では転校生を紹介する。入ってきてー」

結衣「失礼します」

拓弥「はー可愛すぎんだろ…！」

隣にいた拓弥がぼそっと呟いた。
確かに、顔は可愛いし何か穏やかそうだし
これは悪くないかも。

結衣「湯花《ゆのはな》学校から来ました。白音結衣《しろねゆい》です。よろしくお願いします。」

悠斗「白音…結衣さん…か」

拓弥「何だよ悠斗、さてはお前…白音結衣に惚れたか？笑」

拓弥に言われて一気に恥ずかしくなった。

悠斗「なっ…⸝⸝ そんな事ねぇよ⸝⸝⸝」

拓弥「あの子可愛いもんなぁ…笑」

悠斗「違ぇって言ってんだろ⸝⸝」

拓弥は俺の隣で ははっと笑った。

でも、俺が白音さんを可愛いと思っているのは否定できない事実だった 。