「We are all different, and we are all good. これでいい?」
「うん、ありがと」
礼を口にした田宮くんはようやく納得した表情を浮かべる。
「桃ちゃんセンセの発音だからか。specialやwonderfulというワードよりも、goodを当てはめた方がこの詩の英訳にピッタリだ」
「はぁ……。ありがとう、でいいのかな?」
独特の言い回しに戸惑う私をよそに田宮くんは頷いた。
「あと、everyoneじゃなくてwe areって訳すところも。みんなじゃなくて、私たちって、他人じゃなくて、自分が主体なところも」
「単にwe areの方が語感がいいからだよ。リズムがいいっていうか。えっと、日本語でこういうの、何ていうんだっけな」
「韻を踏む?」
「そう、それ! だから特段深い意味はな……い」
私の言葉が途中で切れたのは、田宮くんが笑っていたからだ。いつも大人びた表情を浮かべて笑ってはいるのに、今の笑顔は全く違っていた。
子どもが初めて物事を知った時のような、知的好奇心を満たされて零れ落ちるようなそんな顔だったのだ。
ゴクリと息を呑んだのは、私。田宮くんはそんな私の顔を見つめて息と同時に言葉を吐き出した。
「俺、桃ちゃんセンセの話す英語、好きだな。選ぶ単語のチョイスもだけど、日本語話しているよりも表現豊かで。それにいつもより声が低くなってちょっと掠れ気味になるから耳に残る」

