「ねぇ、桃ちゃんセンセ」
「な、何?」
「今彼氏いる? 結婚してる? していないなら口説いていい?」
全然カッコよくない。なのに。なのに、桃ちゃんセンセは焦ったのだ。
その姿に俺は安心した。
「良かった、その反応ならまだチャンスありそう」
心の底からそういった俺は、きっと満面の笑みを浮かべていたはず。顔を赤くする桃ちゃんセンセを見つめながら、俺は宣言した。
「今度は立場も違うし彼氏もいないなら。アッサリ引き下がるつもりはない。……覚悟していて、桃ちゃんセンセ」
桃ちゃんセンセの瞳の奥が、俺の直球な口説き文句にますます顔を赤くしながらも嬉しそうに揺らいだのを、俺は見逃さなかった。

