その夜、咲の日記帳にはこう書かれていた。 「今日は歩きすぎて怒られた。無理しちゃダメだって。これからちゃんと身体のこと考える。ごめんなさい。」 兄はその文章を読みながら、胸の奥で小さく誓った。 ――まだまだ道のりは長い。 でも、こうして少しずつ咲が自分の体と向き合い、兄の手を借りながら進む姿を見ることができるなら、どんな日々も乗り越えられると。