夕方、二人はベッド脇で小さな計画を立てた。
 「退院したら、まずアイス屋さん。それから……お兄ちゃんが作るお弁当を持って公園に行こう」
 「うん、楽しみだな」
 「外に出られるって、なんか不思議。」

 その笑顔を見ながら、兄は心の中で誓った。
 ――まだ物語は終わらない。
 まだ守るべき日々も、育むべき笑顔も、たくさんある。
 そして、どんな困難があっても、絶対に彼女をひとりにしない。