もう七日目。 朝の回診で、医師仲間がカルテを確認しながら首を傾げた。 「数値が少し……下がっている。炎症反応が」 「本当か?」 兄の声が震えた。 「ええ。まだ誤差の範囲かもしれませんが、改善の兆しが見える」 その言葉に、兄の心はわずかに震えた。 痛みに苦しむ咲を見続けてきただけに、信じることが怖い。 ――でも、もし本当なら。