沈黙。
 やがて咲は視線を落とし、かすかに呟いた。
 「……もし失敗したら?」
 「俺が責任を取る」
 「どうやって?」
 「……たとえ憎まれても、最後までそばにいる。それだけは約束できる」

 咲はしばらく何も言わなかった。
 その小さな肩が震えているのを、兄はただ見守るしかなかった。